イギリスに帰国してからのビートルズは、地元のキャバーン・クラブなどに出演してリバプール一のバンドに成長しました。そして1962年、ついにレコード・デビュー。またたくまにイギリスの、そして世界のスーパースターとなり、音楽界に革命を起こし、若者の文化や思想の指針となりました。1964年、ジョージ21歳のときです。
しかしジョージは、やがてこの成功に疑問を持ちはじめます。ただひたすらギターを弾きたかっただけなのに、異常な人気のせいで外出すらままならない生活を強いられたためでした。

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  そんななかで、ジョージはインドの楽器シタールに興味を持ちはじめ、シタールの第一人者ラビ・シャンカールの教えを乞うようになります。ビートルズで発表する自作曲にもインド風のものが増え、作風の幅はどんどん広がりました。そして次第にインドの導師マハリシ・マヘシ・ヨギの宗教的な思想にも深く傾倒するようになり、1968年にはビートルズのメンバー全員といっしょにインドへ修行の旅にも出ました。以後も、神への信仰心は決して消えることはなく、ジョージの生活の基本を支えていきます。

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  ビートルズ解散後、ジョージはソロ・アルバム"ALL THINGS MUST PASS"(1970年/東芝EMI)を発表しました。プロデューサーに巨匠フィル・スペクターを迎え、リンゴ、エリック・クラプトン、ビリー・プレストンらたくさんの友人と制作した3枚組の超大作です。ここには、偉大なレノン=マッカートニーの作品の陰に隠れ、ビートルズでは録音の機会すら与えられなかった数多くの曲が含まれていました。アルバムとシングル・カットされた'My Sweet Lord'は、英米のチャートで1位を独占。ジョージの才能はこのとき完全に開花しました。現在でも「ロック新時代の幕開け」「1970年代ロックにおける最重要作のひとつ」と位置づけられています。


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