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ポール、ロックンロールのニュー・アルバムについて語る


アメリカの新聞『フィラデルフィア・デイリー・ニューズ』(6月25日)が伝えたところによると、ポールは『ナイト・リッダー』新聞の記者との電話インタビューで、ロックンロールのニュー・アルバムの制作過程などについて語った。現在ポールはイギリス、サセックス州の自宅スタジオでアルバムのミキシングの仕上げの最中だが、タイトルはまだ決まっていない。
アルバムができあがったのは、リンダからの励ましがあったからだったという。
「リンダが亡くなったあと、あるときふと、何らかの形で過去に立ち返ってみる必要があるなと思った。でも、僕にはどうしたらいいかわからなかった。このロックンロールのアイデアは、リンダが僕にやるようにと、とても熱心に勧めてくれていたことだった。だから、仕事に戻るいいきっかけになった」
ポールはニュー・アルバムを作るにあたり、ビートルズ初期のころのようなエネルギーをとり戻したかったと言い、高いスタジオ使用料を払うお金がなかったリバプール時代のように、アルバムまるまる1枚を1週間でレコーディングしようと決めていたという。
「ビートルズがやっていたのとまったく同じようにレコーディングした。朝10時にスタジオに入って、10時30分までには仕事にとりかかれるように準備をした。10時30分から1時30分のあいだに2曲はレコーディングしてしまおうと思っていた。1時30分から2時30分までがランチタイムで、その後2時30分から5時30分のあいだにもう2曲仕上げる。週の終わりまでに20曲はレコーディングできた。仕事の仕方としてはすごくやりやすかった。またあんなふうにレコーディングしてみたいと思っている。とはいっても、ロックンロールだから、実際には『仕事』じゃなくて『遊び』だけどね」
「いちばんやってみたかったのは、僕がロックンロールに夢中になっていたころの時代のもので、あまり知られていないようなマイナーな曲」
それらの「マイナーな曲」をレコーディングするために、ポールはオリジナル曲を録音したテープを聴いて歌詞を書きとり、ほかのメンバーに曲を教えなければならなかったという。ポールは「そういう地道な作業が楽しくて、もうすっかり夢中になってた」と述べ、このことについては『クリーブランド・プレイン・ディーラー』紙にも次のように語っている。
「今回のアルバム作りでおもしろかったのは、カセットで古い曲をかけて歌詞の聞きとりをしたこと…あのころはまさに45回転レコードのアナログの時代だったな…。そう、紙と鉛筆を使って、歌詞の最初の1行を聞きとっては紙に書く。それからカセットを止めて、巻きもどして、また次の行を聞きとって。そんなことをくりかえしていたら、『そういえば、こんなことをするのはティーンエイジャーのころ以来だな』なんて懐かしい気分になったよ。昔のいろんなことを思い出したね。ビートルズを結成した最初のころみたいだった。歌がどんなふうに展開していくか知りたければ、自分でこつこつ紙に書いていくしかなかった。そういうわけで、今回のはなかなかシブイやり方だった」
『クリーブランド・プレイン・ディーラー』誌には次のようにも話している。
「残念ながら、リンダはアルバムの完成を見届けることはできなかった。でもだからこそ、完成させなければならないと思ったよ。リンダのためにね」
同紙によれば、アルバムでポールと共演したのは、ギターのデイブ・ギルモア(ピンク・フロイド)とミック・グリーン、ドラムのイアン・ペイス(ディープ・パープル)、キーボードのピート・ウィングフィールド(イギリスのベテラン・セッション・ミュージシャン)。ポールはベースとボーカルを担当した。
「僕ら5人だけで作った。最初はちょっとやってみないかって感じでただジャム・セッションをしてただけだったんだけど、結果的に21曲もレコーディングすることになった。それで今、そこからしぼり込んで、いちばんできのいいものを選んでいる最中なんだ。もうすぐミキシングを完成させて、タイトルを考えて、アートワークを仕上げて、リリースする」

なお、発売日について日本ではレコード店向けに「7月7日」と告知され、その後「7月23日」に変更されたが、今回の報道では「アルバム『イエロー・サブマリン・ソングトラック』とほぼ同時期」の予定となっている。決定後にはあらためてお伝えする。


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