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ロンドン映画祭で『ヤァ!ヤァ!ヤァ!』ニュー・プリント版上映、リチャード・レスター監督の対談も


11月6日、ロンドンのナショナル・フィルム・シアターで、ロンドン映画祭の一環として映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』が上映され、あわせてリチャード・レスター監督を招いたトークも行なわれた。映画はニュー・プリント版で、画面のあらがとり除かれ画質が格段に向上し、音もかなりクリアになっている。以前のリバイバル上映のときに加えられた「ぼくが泣く」の映像はカットされ、オリジナル版に戻っている。満場の観客は、ウィットに富んだセリフにわき、上映終了後にはスクリーンに向かって拍手を送った。
15分の休憩をはさんで、対談形式のインタビューが行なわれた。インタビュアーは映画監督のスティーブン・ソダーバーグ。彼はかねてからレスターのファンでレスター自身との対談集“GETTING AWAY WITH IT”を11月に出版している。レスターは終始リラックスしたようすで、ときには観客に顔を向けながらユーモアを交えて話をした。1時間にわたって行なわれた対談は、映画の話になると自然にもりあがっていき、ビートルズ映画を含めたレスターのキャリア全般が網羅された。
レスターは1990年代に入って劇場用映画から引退し、1991年にはポールのワールド・ツアーのドキュメンタリー『ゲット・バック』を監督したが、現在は主にテレビの仕事をしている。1996年にはスパイク・ミリガン(イギリスの人気コメディアンで1950年代に人気を博したコメディ・グループ、グーンズの一員)のドキュメンタリーでインタビュアーをつとめている。映画界に戻りたいと思うかとの質問に、レスターはひと言「ノー」と答えた。
撮影中のビートルズに関しては、「とくにあがったりすることもなく、みんなリラックスしていた。しいて言えば、ポールが演技することに関して熱心だったようだ。当時、女優のジェーン・アッシャーと交際中だったせいじゃないかな。4人のなかで俳優として才能がありそうだと私が感じていたのはジョージだ。いつでもおちついていて、自然な演技をしてくれた」
対談終了後には観客からの質問を受けつけ、レスターはのべ20分間にわたり熱心に質問に答えた。対談中の「ジョージに才能があった」というコメントに対して、「それでは『僕の戦争』に、ジョージではなくジョンを起用したのはなぜか」という質問が出た。「キャラクターがジョンにぴったりだったからだ。脚本を検討した時点で、この役はジョンに依頼しようと決めていた。実際撮影に入ってみると、期待以上の演技を見せてくれたよ。だから、『ジョン、もし真剣に俳優になろうと思っているなら、君なら絶対に成功できるよ』と言ってみた。そうしたらジョンはこう返してきた。『でも、そんなのばからしいよ!』」


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