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オノ・ヨーコ、初めてイスラエルで個展を開催


オノ・ヨーコがイスラエルでふたつの個展を同時開催し、過去40年間に制作してきた作品を公開している。イスラエルは5都市を巡回する一連の個展の最終地点で、個展はイギリス、オックスフォードの近代美術館の主催で行なわれている。
ひとつは、イスラエルの首都エルサレムにあるイスラエル美術館で開かれている“HAVE YOU SEEN THE HORIZON LATELY”で、11月25日にヨーコ出席のもとオープニング・セレモニーが行なわれ、27日から一般公開されている。個展には‘Half A Room’や‘Ceiling Painting’、‘Portrait Of Nora’、‘Wish Tree’、また白い電話に「エルサレムの平和のためにダイヤルするように」という個展を訪れた人に対するインストラクションをつけた作品‘Telephone Peace for Jerusalem YO 1999’などが展示されている。個展開催に際して、ヨーコは白いタグに"Imagine"の文字を書いて祈りの木(Wish Tree)の枝にくくりつけ、「この木が、訪れてくださるみなさんの願いや祈りでいっぱいになるといいと思います。私の願いは世界の平和です。「イマジン」は世界の平和を願った歌です」と語った。
ヨーコは次のようにも語っている。「軍事産業にたずさわる人たちが団結しているように、私たち『平和産業』にたずさわる者も心をひとつにしなければならないと、私は真剣に思っています」
もうひとつの個展は、イスラエル北部に位置するウムエルファーンというアラブの町のアート・ギャラリーで開かれている“OPEN WINDOW”で、オープニングの日にヨーコは何羽もの白い鳩を放った。この町が個展開催の地として選ばれたのは、ユダヤ人とアラブ人(イスラエルでは550万人の国民のうち、約450万人がユダヤ人、残る100万のほとんどがアラブ人だとされる)の対話をうながすのにふさわしい地だと考えられたためだ。個展では、リネンのカンバスにそれぞれ"Imagine"、"Feel"、"Dream"、"Forget"、"Remember"、"Touch"、"Fly"、"Yes"、"Breathe"、"Reach"、"Open"という11の単語をペイントした‘11 Instructional Paintings’、石を積んで作った3つの小山それぞれに地元の村の名前をつけて来場者に石を好きなところに持って行ってもらうという‘Stone Peace’、悲劇の起こった日付を刻印した虫かごを天井からつるした‘Crickets’、オープンな部屋の壁のあちこちにヨーコが手書きでインストラクションを書いた‘Blue Room’、だれもが自由に参加できる大パズル‘Sky-Water’の5つの作品が展示されている。
個展開催に際して、ヨーコは11月27日に次のように語った。
「アートをとおして、私たちみんなが一体となり、コミュニケートし、おたがいへの愛情を表現することができると思います。そうすれば世界を変えることができるのです」
個展にはイスラエルのアーティストや地元の人々、外交官らにまじってシモン・ペレス前イスラエル首相も訪れ、先ごろアラブ人と警官隊との衝突があったこの町で、このように高い精神をもって開かれた個展を観ることができてうれしいとコメントした。「今日はイスラエルにとってすばらしい日です。ウムエルファーンの町に別の意味で焦点があてられましたから。つまり誤解という見地からではなく、理解という新しい見地から脚光をあびることができたのです」


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