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「ジョンがテロリストに資金援助していた」というマスコミ報道は誤り


ロサンゼルス連邦裁判所が、FBIが保持している英国諜報部の報告書の公開を命じたことで、M15(イギリスのFBIにあたる機関)によるジョンに関する極秘調査の内容が明らかになりつつある。

ジョンがニュー・ヨークに住み反戦運動を開始した70年代初め、M15は独自情報をFBIに引き渡した。当時のニクソン大統領の顧問が、FBIのフーバー長官に、ジョンを国外追放するのに有利な情報を収集するよう命じたからだ。
FBI本部に保管されている文書には、正統派と暫定派に分裂する前のアイルランド共和国軍(IRA)に対するジョンの資金援助の内容が書かれているという。

1971年、ジョンはロンドンの集会で「英国帝国主義に抗議するIRAに勝利を!」というプラカードを掲げ、1972年の「血の日曜日」乱射事件の後では「IRAと英国軍のどちらかを選べと言われたら、IRAに味方する」と発言している。

前述のジョン・ウィナー教授は、1972年当時のIRAはけっして現在のようなテロリスト組織ではなく、一部の「IRA暫定派」が武装闘争を企てていたにすぎないという。つまり、ジョンとヨーコがもし「アイルランド返還」のために資金を寄付していたとしても、マスコミが世界中に報じているような「平和運動家がテロリストに荷担していた」ということにはならないと主張する。

事実、ジョンの友人であり70年代にマルクス主義者グループにいたタリク・アリは「当時、これらの問題についてジョンとよく話をした。ジョンがIRAに資金を出すべきかどうかという相談も受けたと思う。だがM15は、ずさんな調査の結果、ありもしないことをでっちあげているだけだ」とマスコミに語っている。アリは、ジョンがマルクス主義情報紙「レッド・モール」紙に寄付した事実もないと証言している。また労働者革命党(WRP)のメンバーだったロジャー・スミスも「ジョンは我が党にも一切寄付をしなかったし、当然IRAへの寄付もなかったと確信している」と語っている。

ウィナー教授はBBCに「ジョンがアイルランドの市民権運動に関心を持っていたことは確かだが、ジョンとIRAの関係をイギリス諜報部は明らかに誤解している」と訴えている。


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