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インド政府ポールの嘆願書にこたえる


インド政府は3月31日、皮革および牛肉の輸出用として屠殺されている何百万頭もの牛を保護するよう求めたポール・マッカートニーの嘆願書による訴えに応じる姿勢を見せた。
ポール・マッカートニーはインドのバジパイ首相に、違法な牛屠殺を取り締まるよう求める嘆願書を送付していた。ポールは、菜食主義を促進したマハトマ・ガンジーの名前を挙げ、「世界の人々は、“国民が動物をどのように扱っているかによって国の状態がわかる”と述べたガンジーの言葉を忘れてはいません。ガンジーのこの言葉が21世紀に消滅してしまわないような対応をお願いします」と嘆願書を締めくくって
いる。「牛虐待の事実はある。この問題に対処するため、あらゆる支援を必要としている」とインド政府のマネカ・ガンジー議員は述べた。
インドの総人口の80%にあたるヒンズー教徒は牛を神聖なものとして崇めており、インドの全26地域のうち2地域を除き、牛の屠殺は法律で禁止されている。
ポールは手紙のなかで「インド憲法によって牛の残虐行為は禁止されているにもかかわらず、インドでは牛の保護法はことごとく違反されています。多数の難問を抱えていらっしゃることは承知していますが、この残虐行為をきびしく取り締まっていただくよう嘆願いたします」と書いている。「屠殺場への輸送トラックにすし詰めにされ、飼料も水も与えられず、何百キロも運ばれていく去勢牛や子牛の眼は恐怖心と
苦しみに満ちています」と訴えるポールは、アメリカの動物愛護団体PETAが入手した映像からインドの牛虐待の実態を知ったという。
PETAは、インドでは毎年、食用および皮革用として1,300万頭の牛が屠殺されていると推定しているが、ガンジー議員によれば「これは氷山の一角にすぎない。実際にはもっと多い」という。牛は国営列車により牛の屠殺が許可されている西ベンガル地域に輸送される。表向きには乳牛および家畜用となっているが、実際には屠殺場に送りこまれている。「西ベンガル行きの列車の半分は牛の輸送に使われている。証明書
は組織的に偽造されたもの。この件については何度も首相に訴えているが、首相は乳牛用だとして問題にしない」とガンジー議員は言う。西ベンガル地域およびケララ南部に輸送された牛は、国際的な皮革貿易用およびバングラデシュやヨーロッパの食肉用として輸出されている。


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