豆・マメ・あらかると

まずはCDからご紹介!

●“POP MUSIC”(ポップ・ミュージック)
杉 真理


 
ソロ名義としては実に8年ぶりのニューアルバム。「ベースもコーラスもリードギターもやれるだけひとりでやってみよう」というコンセプトで、なんと長いキャリアのなか、初めてベースを弾いたそうである(もちろんバイオリン・ベース!)。「ポール・マッカートニーの“RAM”のように」とみずから語るようにアットホームでハートウォーミングなアルバムとなっている。“POP MUSIC”という潔いタイトルがアーティストの自信を表している。若手のプロデューサーとしても名をはせる杉氏、今やポップ界の重鎮であるこのアルバムはビートルズっぽさを感じさせ、超ゴキゲン。ジャケットもみずから写した写真が使用されている。
 「楽しくワクワクするポップス」というのが共通項。
〈突然つけたラジオから 4人組が叫んでいた〉(「Daddyはロックンロール中毒」)〈切ない 恋しい そんな気持ちは 味で言うならすっぱい 甘いだけじゃ何か足りない 色々まじっておいしい〉(「So Fine, So Good」)〈もしも毎日が 一曲のかけがえのない歌だったら、調子はずれの日もあるけれど 君に聴いてほしいのさ〉(「I need her love」)
 どれからおすすめしていいか迷うほど、どの曲もいい。好みもなにも、これだけ引き出しがある人だから、だれでもどこか惹かれるものを見出せるはず。聴き終えたら、とりあえず春の海でも見に行ってみようかと思わせるアルバムである。
 そしてノリのいい曲はノリのいい歌詞があってこそ。軽やかで切なく美しい高音が、説得力のある歌詞をしっかりとすくいあげ、耳に、心に、快い余韻が残る。ビートルズに出会った男の子が生まれたての感動を何度も裏ごしし、熟成させ、極上のビートルズ・テイストに仕上げた喜びのおすそわけを、あなたにも。

●“Golden Slumbers”(ゴールデン・スランバーズ)

高橋アキ


 ‘BEST of HYPER MUSIC from LENNON McCARTNEY’というサブタイトルに示されているように、坂本龍一が提供したM.17以外の16曲はすべてピアノでビートルズをカバーしたもの。1曲1曲編曲者が違い、M7は「ザ・ビートルズ1962-1970」と題されたジョン・ケージによる編曲。ジョンとポールに影響を与えたケージがビートルズをどう料理したかが興味深いところ。 しかし、経歴に重きを置いた編曲陣のライナーには「ビートルズは経歴で弾くものではない」と突っ込みを 入れたくなるほど。「文部省推薦のビートルズ」と言ったところか。それにしてはM.1‘Let It Be’などのあまりに粗いカバーにはがっかりさせられ、ファンとしては微妙なアルバムである。

●“AT HOME WITH THE GROOVEBOX”(アット・ホーム・ウィズ・ザ・グルーヴボックス)
VARIOUS ARTISTS


 
ローランド社のグルーヴボックスを使ってさまざまなアーティストが曲を提供したコンピレーションアルバム。ショーン・レノン、ベック、チボ・マット等を収録。グルーヴボックスとは、アナログシンセサイザーの音源を内蔵したシーケンサーマシンのこと。
 古くはテクノ、そして現在のクラブ・シーンにおけるアナログ・サウンド・ブームをねらった企画はなかなか興味深く、企画者のねらいどおり、このCDを聴いたあとに筆者は即座にグルーヴボックスを購入してしまった。

●“Cherry”(チェリー)
JOSH ROSEMAN UNIT


 
管楽器をフィーチャーしたコミカルなインストゥルメンタル・バンド。‘If I Fell’をカバー。ジャズっぽいアレンジに仕上がっています。オープニングは秀逸でフルートとトランペットのハモり(?)。フルートがポールでトランペットがジョンなのでしょうか?途中から全然違う曲のようになってしまうのが残念。プレスリーの‘Don't Be Cruel’のカバーも収録。

●『哀愁のヨーロッパ』

EUROPEAN JAZZ TORIO(ヨーロピアン・ジャズ・トリオ)

 ‘Blackbird’をカバー。ピアノが主旋律を奏で、ドラムとベースがスイングする。新しいものはなにも感じることはないが、それが現代のジャズなのだろうか。クラプトンの‘Tears In Heaven’のカバーも収録。

●“twelve ways to go”(トゥエルブ・ウェイズ・トゥ・ゴー)

SKA SKA CLUB


 ‘Magical Mystery Tour’をカバー。もちろんスカ。安易すぎるアレンジがグッド?
 この曲はインストになっていて短いので、ビートルズ・ファンには欲求不満か。ギターのディストーションとベースの息のピッタリ合ったノリが心地良い。しかし、昨今の日本のミュージック・シーン、なぜわけのわからない英語と発音で歌うバンドが多いのだろう?ダサさがカッコイイのはすばらしいが、カッコつけてダサいのはいただけない。


 

ビートルズが掲載された雑誌etc.いろいろ!!

●RECORD COLLECTOR
- No.257

●RECORD COLLECTOR
- No.258

●RollingStone
- JANUARY 18

●UNCUT
- JANUARY

●Q
- JANUARY

●Q
- FEBRUARY

●Q
- MARCH

●NME
- 9 DECEMBER

●プレイヤー
- 3月号

●ストレンジ・デイズ
- 2月号

●Entertainment
- JANUARY 5

●Entertainment
- FEBRUARY 9

●heat
- 3-9 FEBRUAR

●Highstyle
- JAN-MARCH 2001

●スヌーザー
- 失われたア−ク号

●フリー&イージー
- 3月号

●People
- JANUARY 15

●People
- DECEMBER 18

●HELLO!
- NOVEMBER 28

●HELLO!
- JANUARY 2

●HELLO!
- JANUARY 1

●US weekly
- DECEMBER 11

●U.S.News
- JANUARY 15

●att.TOKYO
- 2001

●rock fashion
OMNIBUS PRESS 刊