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アップル裁判、ビートルズ側が敗訴


リンゴをイメージした商標をめぐり、ビートルズが設立したアップル・コープスが、アップル・コンピュータに対して音楽配信事業でのイメージ使用差し止めを求めていた訴訟で、ロンドン高等法院は8日、商標侵害にはあたらないとする判決を下し、ビートルズ側が敗訴した。
エドワード・マン判事は、コンピュータ会社はアップル・ロゴを音楽ではなくストアの関連で使用したのであり、両社間の合意に反するものではないと裁定。ビートルズ側は200万と推定されている弁護士費用を支払わなければならないが、判事は、さらなる審理が行なわれるまで、150万の暫定支払いを却下した。この判決により、iPodやiTunesが継続してAppleの名称とロゴを使用できることになる。
この判決に対しアップル・コープスの代表取締役であるニール・アスピノールは、「裁判官には多大な敬意を払いますが、彼は誤った結論に達したと私たちは考えます…裁判において、私たちはアップル・コンピュータが合意にどれだけ徹底的に反したか、明確に示すことができたと感じました。従って、私たちは控訴し、訴訟を控訴院に持ち込みます」と発言し、判決を不服として今後も争う構えを示している。さらにニールは、裁判中にアップル・コンピュータの代表、スティーブ・ジョブズが自分に、自身の会社をビートルズをもとにして名づけたことを伝えたと供述した。
アップル・コンピュータは訴えに対し、音楽配信事業は純粋にデータの配信にすぎず、1991年の合意で認められていると主張。1991年の合意とは、アップル・コンピュータが、アップル・コープスに対し約2,600万ドル(約29億円)の和解金を受け渡したというもの。
ジョブズは「この不一致を過去のものにすることができたことを、うれしく思います。私たちはかねてからビートルズの大ファンであり、今後は彼らをiTunes Music Storeにおいて配信するにあたり、ともに協力することができればと思います」と語った。これに対し、ニールは現在、アップル・コープスがビートルズの全カタログをデジタル形式でリマスタリングしているが、その発売日は未定であり、どのオンライン音楽ストアとも契約を取り交わしていないことを強調した。


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