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ジョンの命日に。ヨーコからのメッセージ


11月26日付『ニューヨーク・タイムズ』紙の全面広告にオノ・ヨーコからのメッセージが掲出された。以下にその全文を掲載する。


私たちをお赦しください

12月8日が再びめぐってきました。毎年、この日になると、私の夫、ジョン・レノンとジョンの平和のメッセージを覚えていられる世界中の多くの方々から連絡をいただきます。まだ長い人生が残っていて、最も充実した40歳のときに銃殺されたジョンのことを想ってくださるという手紙をいただくのです。

この悲劇的な日にあたって、絶えることのない皆さんのジョンへの愛と皆さんが私のことを心配してくださることに感謝いたします。ですが、今年の12月8日は、ジョンのことを想いながらも、世界中で苦しんでいる何百万人もの人たちへ、皆さんとともにこのメッセージを送りたいと思います。

私と同じように理由なくして愛する者を失った方々。その悲劇を止めることができなかった私たちをお赦しください。あなたの傷が癒えるよう祈っております。

体の機能や命を失ったすべての国とすべての時代の兵士の方々。私たちの誤った判断を、そして、それが生んだ結果をお赦しください。

体の機能や命を失い、あるいは、家族を失った民間の方々。それを防ぐことのできなかった私たちをお赦しください。
虐待や拷問を受けた方々。そのような事態を許した私たちをお赦しください。

あなたたちの死は、私たちの損失であるということを知ってください。
あなたたちが受けた身体的、精神的な虐待は、私たちの社会と世界に長く影響をおよぼすことを知ってください。
それは、私たちが背負うものであることを知ってください。

暴力により殺された者の未亡人として、引き金を引いた人物を赦す用意があるかどうか、まだ、私にはわかりません。暴力的犯罪の被害者であれば誰もが、私と同じように感じることでしょう。ですが、今、世界が緊急に必要としているのは、癒しなのです。

みんなで一緒に傷を癒しましょう。
毎年12月8日を、堪え難い苦痛に苦しんだ方々への赦しを請う日にしましょう。

私たちが自分自身を癒し、そして、それによって世界を癒したと言えるようになることを強く願いましょう。

深い愛を込めて、
ヨーコ・オノ・レノン
2006年、ニューヨークにて


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