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アビイ・ロード・スタジオ売り出し中


経営難に陥っているという英EMIが、ロンドンのアビイ・ロード・スタジオを売り出し、買い手を探していることが明らかになった。
アナリストの分析ではEMIに必要な金額は1億6,500万ドルだという。
ビートルズのほかにもコールドプレイ、ロビー・ウィリアムズといった人気アーティストを抱えているEMI だが、2007年に24億ポンドで投資会社テラ・ファーマに買収されて以来、金銭的苦境にあえいでいるという。
原因はCDの売上の減少とデジタル音楽ダウンロードの増加によるもの。
レディオヘッド、ローリング・ストーンズを含む大物アーティストは、テラ・ファーマ買収後の合理化と建て直しの中で、同レーベルを離れた。
ビートルズのアルバム名にちなんで、「アビイ・ロード・スタジオ」となったこのスタジオは、EMIが1929年に10万ポンドで、3 Abby Road にあるジョージア朝タウンハウスを買い、世界でもっとも先を行くレコーディングスタジオにしたものがはじまり。エドワード・エルガーは1930年代にロンドン交響楽団とともに「威風堂々」を録音した。アビイ・ロード・スタジオは今でもオーケストラに使われており、『ハリー・ポッター』『ロード・オブ・ザ・リング』のサウンドトラックも録音されている。
60年代以来、アビイ・ロード・スタジオは世界でもっとも有名なロックミュージック・スタジオのひとつ。ビートルズだけでなく、ピンク・フロイドの“DARK SIDE OF THE MOON”、ウイングスの“BAND ON THE RUN”、レディオヘッドの“OK COMPUTER”などのアルバムも制作された。
今まで買い手がついていないことは、レコーディング・スタジオにとって苦しい時代であることを映し出している。技術の進歩によりミュージシャンは、ノートパソコンで洗練されたレコーディングをすることができるようになったことが、アビイ・ロード・スタジオのような施設を圧迫している。


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